レッドブルの飲みすぎによるカフェインの過剰摂取によって起こった悲劇が今話題となっています。
米カリフォルニア州で、レッドブルを大量に飲んだ男性が心臓発作を起こして救急搬送され、極度に肥大して胸を突き破ろうとしたその心臓に現場の医療スタッフが大きな衝撃を受けた
とのニュースがありました。
その後この男性は亡くなってしまったのですが、搬送時に「18時間で、24オンス缶(710ml)入りのレッドブルを24本飲んだ」と言っていたそうです。
身近にあるドリンクの話題なだけに恐ろしいですが、なぜこの男性はそんなにもレッドブルを飲んでしまったのでしょうか。
レッドブルには飲みすぎるとどのような作用があるのか?身体に悪いのか?
今回は、気になるレッドブルの詳細をご紹介します。
そもそもレッドブルってどんな飲み物?
レッドブルは今や、若者からサラリーマンや主婦世代の方まで認知されている有名なエナジードリンクとなりました。
CMでも「翼をさずける」のキャッチコピーで皆さんも記憶されているんじゃないでしょうか。
パッケージデザインも今までの日本にあったデザインに比べ革新的で、発売当初は話題にもなっていました。
でもレッドブルの効果とか成分ってよく知らない
なんて声も聞こえてきそう…。
そこでまずは、レッドブルの成分を見てみましょう!
日本のレッドブルの成分
※レッドブルの成分表(100ml当たり)
エネルギー:46kcal
たんぱく質:0g
脂質:0g
炭水化物:10.7g
ナトリウム:80mg
アルギニン:120mg
ナイアシン:3mg
パントテン酸:2mg
ビタミンB6:2mg
ビタミンB2:0.09mg
ビタミンB12:2μg
日本と海外のレッドブルでは成分が違う
実はレッドブルは日本だけじゃなく海外でも販売されています。
というより海外版のレッドブルが本場になるんです。
「え~!知らなかった!」
という方も中にはいらっしゃると思いますが、僕も数年前まで知りませんでした。
実はこの海外版レッドブルは日本のレッドブルとは含まれている成分が違うんです。
日本版はタウリンが含まれていない
海外版レッドブルは【タウリン】という成分が100ml当たり400mg含まれています。
【タウリン】には細胞を正常な状態に戻そうとする作用(=「ホメオスタシス」)があるのですが、日本では薬事法の関係で医薬品扱いとなるので医薬部外品である栄養ドリンクなどにしか使われません。
清涼飲料水扱いの日本のレッドブルでは【タウリン】は使用できないということですね。
日本版はタウリンの代わりにアルギニンが含まれる
日本のレッドブルには【タウリン】を含めない為、代用として【アルギニン】というアミノ酸が含まれています。
この【アルギニン】はスーパーアミノ酸とも言われ、摂取することで「成長ホルモン分泌」/「疲労回復」/「免疫力強化」/「血流促進」などの効果があるとされ、今流行りのアンチエイジングにも優れている成分です。
レッドブルは栄養ドリンク?
日本の栄養ドリンクは、滋養強壮、虚弱体質の改善及び栄養補給が目的とされている物という分類をされていて、滋養強壮や栄養補給を一番の目的としています。
レッドブルにはタウリンを含むことが出来ない清涼飲料水の為、栄養ドリンクのような効果はありません。
あくまで清涼飲料水に分類されるエナジードリンクとなります。
レッドブルの効果
レッドブルがもたらす一番の効果としては、レッドブルに含まれるカフェインによる覚醒作用になります。
ですが、含まれるカフェインの量はコーヒーに含まれる量と同等程度になるため、眠気覚ましを期待するのであれば有名な『眠眠打破』の方が効き目があります。
眠気防止という面ではコーヒーと同じように効果が表れますが、効き目には個人差が有ります。
車の運転中などの眠気を覚ます事には適していませんので注意しましょう。
レッドブルによる副作用
冒頭でもお伝えした海外でのレッドブルの飲みすぎて亡くなられた方ですが、一日に摂取してもよいカフェインの量を大幅に超えて摂取した為に、身体に異常をきたしてしまった例です。
レッドブルによる副作用は、主にカフェイン絡みのものが多いですね。
では詳しくみていきましょう。
カフェイン過剰摂取は危険
人間の身体は一日に摂取できるカフェインの量が決まっています。それを超えると命にかかわることになります。
体重50kgの方ですと、一時間当たり850mgとなります。
これはレッドブルで計算すると1時間で10本飲む計算になります。
さすがにここまで大量に飲む人はいないと思いますが、コーヒーやコーラにもカフェインが含まれるので、合わせて飲む場合には注意が必要になります。
過剰摂取でカフェイン中毒に
体重50kgの方で計算した場合、一時間当たり850mg以上カフェインを摂取すると急性カフェイン中毒、一日当たり3,000mg以上カフェインを摂取すると慢性カフェイン中毒になると言われています。
症状としては、カフェインを慢性的に摂りすぎると落ち着きがなくなり、イライラしやすくなったり頭痛を引き起こしやすくなります。
また急性的なカフェイン中毒の場合は、胃痛や動悸などを伴います。
カフェインは正常に摂取する分には集中力を高めてくれたり眠気を防止してくれたりといい面もあるのですが、大量のカフェインを体内に摂取すると怖い成分になりますので過剰な摂取は絶対にやめましょう。
妊婦の方の摂取は控えめに
妊婦さんは1日150~200mg以上の摂取は控えるように言われます。
レッドブルで言えば2本くらいになりますね。
レッドブル同様、コーヒーなども一日1~2杯に抑えて元気な赤ちゃんを育てましょう。
レッドブルが糖尿病の原因になるって本当?
レッドブルにはブドウ糖が含まれているので、血糖値があがります。
すると糖尿病の原因となるインスリンを分泌させやすくなってしまいますので、糖尿病になってしまう可能性はあります。
ですが、適度な運動をすることで分泌されたインスリンを蓄積させることなく消費することが出来ます。
常習的にレッドブルを摂取せずに普段の食生活や日頃の運動量に気を付けていれば、そこまで糖尿病の心配をする必要はなさそうです。
[ad#co-1]レッドブルが若者に人気の理由
プロモーション手法が日本の若者のハートを鷲掴み
今まで栄養ドリンクのアリナミンやリポビタンなどは若者が飲むイメージを持ちづらかったのですが、清涼飲料水でありながらも栄養ドリンクの雰囲気を纏いつつお洒落に仕上げられています。
若者に受け入れやすいデザインとプロモーション方法で一気に人気ドリンクに上りつめました。
またサラリーマンなどが集まるオフィス街や、トレンドに敏感な若者が集まる繁華街・クラブなどで、無料でドリンク配布する画期的な手法を日本に導入したのも大きな成果に繋がったとされています。
無料ドリンク配布をしているレッドブルガールに今時の女子を起用することで流行感を演出し、レッドブルカーの革新的なデザインカーで宣伝することで徐々に知名度が広まっていきました。
最初からお洒落に敏感な若者を中心としてターゲットを絞っていたことが、レッドブルの日本進出が成功した大きな理由でしょうか。
お洒落なイメージで仕事疲れの時などに飲むとスッキリしたような気分にさせてくれるレッドブルですが、含まれているカフェインとは上手に付き合っていかないといけませんね。
レッドブルだけでなく、他にもエナジードリンクがありますので同様に注意しましょう。