2023年の邦画興行収入ランキングでは、ランキング上位のほとんどをアニメ映画が占め、映画界におけるアニメジャンルの強さを見せつけました。そこで今回は、2023年の興行収入ランキングの紹介と、アニメ映画が人気の理由を調査してみました。
【2023】邦画興行収入ランキングを紹介
早速、2023年の邦画興行収入ランキングを紹介していきます。
- 『THE FIRST SLAM DUNK』 158.7億円
- 『名探偵コナン 黒鉄の魚影』 138.8億円
- 『君たちはどう生きるか』 88.4億円
- 『キングダム 運命の炎』 56.0億円
- 『ゴジラー1.0』 55.9億円
- 『ミステリと言う勿れ』 48.0億円
- 『劇場版「TOKYO MER~走る救急救命室~」』 45.3億円
- 『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』 43.4億円
- 『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』 41.6億円
- 『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』 29.2億円
なお日本における洋画興行収入ランキングの1位は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の140億円でした。日本国内だけでなく、海外でもアニメ作品が映画界で大きなシェアを占めていることを感じる年でした。
近年の邦画興行収入ランキングを紹介
近年の邦画興行収入を見返してみても、ランキング上位をアニメ 映画が占めていることに気付きます。
2021年の邦画興行収入ランキング上位3位はこちら
- 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 102.8億円
- 『劇場版 名探偵コナン 緋色の弾丸』 76.5億円
- 『龍とそばかすの姫』 66億円
2022年の邦画興行収入ランキング上位3位はこちら
- 『ONE PIECE FILM RED』 197億円
- 『劇場版 呪術廻戦0』 138億円
- 『すずめの戸締り』 131.5億円
ご覧のとおり、2021年~2023年の3年間のランキング3位以内の作品はすべてアニメ作品です。なかでも、2023年と2021年にランクインしている『名探偵コナン』シリーズは、劇場版が発表される度にヒットし、過去にも多くの作品が年間ランキングで10位内に入っています。なかでも、2023年に公開された最新の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は、歴代コナン 興行収入ランキングの1位に輝きました。
アニメ映画が人気の理由は?
前述のランキングを見ていると、ヒットしたアニメ 映画に共通する点が見えてきます。それでは、アニメ映画がヒットする理由を考察してみましょう。
1.作品をライブ感覚で楽しめる
近年、映画を見るだけなら家庭でも充分に楽しめます。それでもあえて映画館に行くことは、「同じ作品のファンが同じ空間で作品を楽しめる」というライブ体験に意味があります。そして、そのライブ体験を後押ししたのが、IMAXや4DXのような最新技術を駆使した上映方式です。これらは優れた映写システムや音響システムにより臨場感を高めます。アニメ映画には、大迫力のアクションシーンや歌唱シーンなどを含めるのに適しています。現代の映画館は、作品を鑑賞する場としてだけでなく、ライブハウスやテーマパークのアトラクションのように体験を味わう場所になっているのです。
2.固定のファンが得やすい
20年前までは新作映画の情報を知るためのツールは、テレビや雑誌でした。現在では、インターネットやSNSが情報獲得のツールとなっています。キーワード検索が主流になったことで、興味のあるジャンルやシリーズ作品に対しての情報はより得やすく、新たなジャンルへの情報は得にくくなったということです。これにより、長い時間でファンを作ってきた作品やヒット作を出した監督の作品は、より多くの人の注目が集まるようになったのです。
また、アニメ映画はキャラクターが永遠に老いることがありません。いつでも変わらないキャラクターにファンも減ることがないのです。
3.来場者特典によりファンのリピートを狙っている
アニメ映画は、映画館で鑑賞するとプレゼントされる来場者特典が充実しています。来場者特典の例は、原作者の書き下ろし作品やキャラクターのステッカーなどです。特典は、第一弾、第二弾とスケジュールによって段階的に配布されます。これにより、ファンは来場者特典をもらうために映画館に何度も足を運ぶのです。
まとめ
今回は2023年の邦画興行収入ランキングの紹介と、ランキング上位を占めるアニメ映画の人気の秘密について考察しました。アニメ映画がヒットする理由は、映画館でライブ体験するのに適しており、固定のファンへの新作映画情報の伝達や映画鑑賞のリピート率をあげる方法を確立していることがあげられるのです。